ヨーコを撮りたくて
私は、久々にヨーコがオーナーパティシェのお店へ出向いた
まだ準備中の店内に入ると
ヨーコは驚いた顔で私を見た。
私は、何か手伝おうかと
店内は綺麗に整理され
私が手伝う出番はなさそうである、私はタバコに火をつけバックからカメラを出した
若い時からヨーコは私を笑顔で支えてくれた
そんな笑顔の素敵な彼女は商品にもその笑顔って名前を
使っていた。
そして、毎晩ほろ酔いの私を優しく包んでくれていた。
私をイメージしたケーキには、ほろ酔いって名前がついていた。
ヨーコ
厨房の中を撮るよっ
ヨーコが頷く前に私はシャッターを切っていた。
私は、昔からヨーコが働く姿を撮るのが好きだった
なぜかっ?
写真からヨーコを感じることができるからだ。
もうヨーコと別れて何年になるだろーっ。
私はヨーコと別れて落ちぶれたが
ヨーコは昔のまま輝き続けていた。
実は今日、ヨーコを訪ねたのは
ヨーコの誕生日だからだ。
ヨーコ、プレゼント
照れを隠しながら私はプレゼントを渡した。
別れてからのほうがお互い親密になれた気がする
相談事や恋についても真剣に話せるようになった。
包装紙を丁寧に開けて
プレゼントの中身を見たヨーコは笑っていた。
ヨーコは言った
あなたらしいわ
昔からケチな私らしいプレゼントにヨーコは喜んでいた。
ヨーコはレジのキーにそれをつけた。
ヨーコ
好きな角度で撮っていいか
ブレたけど、ヨーコのこの写真は大切にするから
また、来るからと告げて
私は店を後にした。
本当は夜にお酒でも誘うつもりが
言葉に出なかった。
ヨーコ
愛してる。
妄想にお付き合い
ありがとうございました。